生後1ヶ月以内の赤ちゃんの特徴
出生体重や出生週数、性別によってなど、様々なところで違いが出てくる生後1ヶ月以内の赤ちゃん。
すごく寝ていて起きずに、ミルクが飲ませられなくて困っているママもいれば
飲んでも飲んでもギャン泣きで、どんだけ飲むのよーって子もいます。
1ヶ月以内の質問トップ3
病院にいて外来の連絡を問える時も
自分で訪問するときも、LINEで相談をお受けする時も
1ヶ月以内のいわば”新生児”の時の質問のトップは不動です。
1位 母乳かミルクかなどの授乳系
2位 上の子との接し方
3位 具合が悪いのかわからない。何に気をつければいいのかわからない。わからないことがわからない。
母乳かミルクかなどの授乳系
[char no="1" char="ママA"]もうすぐ1ヶ月になるんですが、うちの子、本当によく泣くんです。飲んでも飲んでも泣いている気がします。かといっておっぱい加えても飲まなかったりする時もあって。眠い時とか、もうってなります。[/char]
[char no="2" char="あおい"]飲んでも飲んでも泣いていると、なんだかママも、どうしたらいいのよーって泣きたい気持ちになっちゃいますね。何グラムで生まれたのですか?[/char] [char no="1" char="ママA"]3800gです。普通分娩でした。[/char] [char no="2" char="あおい"]3800gですか!大きく生まれたのですね!それはもしかしたら1回の量が足りていないのか、ゲップがうまく出ないのか、うんちがしたいのか・・ちなみに母乳とミルクはどのような回数ですか?[/char] [char no="1" char="ママA"]ミルクはあげてないんです。退院する時から母乳だけで大丈夫と言われたので、母乳だけで、、なのでミルクも用意してないんです。[/char]
なるほどなるほど、
この場合は、もしかしたら本気で足りないのかもしれませんね。
母乳の中に含まれる特別な酵素のおかげで、母乳はすぐに消化されてしまいます。
なのでミルクと同量を母乳で飲めていたとしても、すぐに消化されてお腹が空いてしまうんです。
退院する時から母乳にしたということなので、その時の赤ちゃんの量にはあっていたけど、その後に胃が大きくなる過程
(1日でビー玉、3日でクルミ、1週間でピンポン球、1ヶ月で卵大)
では足りなくなっていったのかもしれません。
授乳量が足りているかいないかは、合わせて尿の回数と量も見ていただきたい指標です。
尿が1日に6−7回以上出ていれば、体の水分は保たれているといっていいと思いますが、
3回前後は少ないです。
3回でも、量をためてだすタイプの子で、1回量がオムツギリギリくらい出ている場合では大丈夫です。
普段の赤ちゃんの尿の量を覚えておいてください。
母乳が出なくなってくる原因
これは本当に様々ですので、一概に言えないのですが、
以下に当てはまる場合、足りてないかも??しれません。
水分
妊娠・ご出産されていない女性でも、1日1.5Lは必要と言われています。
腸で便を動かすにも水分は必要ですし、汗も知らず知らずと出ています。
ご出産ごの女性は、母乳でも水分を取られるので、2Lほどの水が必要です。
それでやっと母乳にも腸にも水分がいきます。
しかしこの飲み物、カフェインやアルコールはNGです。
ダイレクトに母乳に移行してしまうので、純粋なお水がベストですが、ノンカフェインのお茶や麦茶などでも構いません。
疲労
出産で伴った身体の疲労もそうですし、精神的な疲労もです。
床上げという言葉を聞いたことがあると思いますが、産後はゆっくり身体を戻して行きます。
なぜかというと、大きくなった子宮が元の大きさに戻るまでに、1ヶ月かかります。
1ヶ月かけて、出血(悪露)を伴いながら、元に戻ります。
そしてホルモンの変化。
赤ちゃんが生まれる直前から、すごい勢いで放出されたホルモンが
出産直後に下降し、同時に母乳が出て、子宮を元に戻すホルモンに変わっていきます。
子宮を元に戻す=陣痛は、この後者のホルモンのおかげなので、徐々に移行して、出産後にはガラッとホルモンが変わってしまう、というイメージです。
ママの身体の中は大忙し、ですね。
ストレス
日頃のストレスや、家族に対してのストレスなどが多いと、母乳の分泌が滞ってしまいます。
これはオキシトシンというホルモンに関係するのですが、出産直前から、上記で話しているホルモンの他に、このオキシトシンホルモンが出てきます。
快楽のホルモンと呼ばれるのですが、このホルモンは母乳の分泌に欠かせないホルモンです。
ストレスを感じた状態では、オキシトシンホルモンが分泌されずらい状態になってしまいます。
脳にオキシトシンを出せーと命令する司令塔があるのですが、ストレスがあるとその司令塔が作動しなくなるんですね。
なので、ストレスは母乳の分泌とかなり密な関係にあります。
ストレスを感じないマインドにしてしまうのが、一番ストレスを回避できる方法です。
周りの人(例えばお姑や夫)はそう簡単に変えられないですし、帰るのに労力が要ります。
妊娠前からこういう精神状態になるんだよ!!ってわかっていればいいのですが、旦那さんは時に、「妻がいきなり変わった」くらいにしか考えられていません。
なのでご自身のマインドを変えて、周りを見る目を変えてしまうことが
イライラの一番の回避方法だと思っています。
飲ませ方
これはなかなか難しいですよね。
動画で配信できないのが、この授乳方法です。
一番いいのは、近くで授乳をみる助産師か保健師・看護師を探して、実際の授乳を見せてアドバイスをもらうこと。
もしくは必要であればマッサージを行うことです。
赤ちゃんが浅く飲みがちになってしまうのは、お口の大きさだったり、乳首の大きさだったり、添い寝だったり抱っこの仕方だったり、様々です。
貧血
母乳の成分は血液なので、貧血の状態は母乳の分泌が少なくなる時があります。
しかし、鉄分は優先的に母乳に移行していくので、ママがより貧血になりやすくもなります。
もともと貧血、もしくは出産後に貧血を一度でも指摘されていたら、鉄分の多い食事をとるなどして、鉄の摂取をしてください。
上の子との接し方
[char no="4" char="ママC"]赤ちゃんが生まれてから、上の子とどう接したらいいのかわかりません。抱っこしてって言ってきますが、赤ちゃんを優先させてしまうので、かわいそうになってきて・・・[/char]
[char no="2" char="あおい"]確かにお気持ちはわかります。今まで◯年間、上の子に集中していたのですもの。上のお子さんもママを取られるのではないかと必死なんだなと思います。新生児を構ってあげていると可哀想に思えてしまうと思うのですが、その分構ってあげられるときは思いっきり構ってあげる、でいいのではないでしょうか。[/char]
どうしても、上のお子さんが2-3歳くらいだと、イヤイヤ期に突入してしまいます。
いきなり赤ちゃんが家に来て、ママを取られてしまった。
これは兄弟がいる人であれば、誰でも1度は体験したことのある、最初の嫉妬です。
ただママも一人なので、全てに対応するのは難しいですよね。
下の子ができて甘えてくるときは、「お兄ちゃんなんだから!!」とか決して言わずに、「〇〇ちゃん生まれてまだ小さいでしょう。守ってあげないとね。」と、小さいもの、弱いものを守ることを教えてあげましょう。
最初はわからないと思うのですが、根気強く話をしていると、大事にするものがわかってきます。
もちろん、上の子のことも、大好きだよーって言ってあげながら、ぎゅーしてあげてくださいね。
ハグが一番の特効薬です。
またオキシトシンが出て来ますが、ハグを20秒ほどすることで、双方にオキシトシンが分泌されて、安らかな気落ちになります。これも何回もやっているとそうなるので、ちょっと気づいたら「ぎゅーーーー」してあげてください。
子供は頭がいいですが、同時に感受性がすごく強いので、その「ぎゅーーーー」だけでも愛情表現がよく伝わります。
逆にぎゅーしないと伝わらないので、たくさんぎゅーしてあげてください。
具合が悪いのかわからない。
何に気をつければいいのかわからない。
わからないことがわからない
おそらくほとんどのママがこの位置にいらっしゃっると思います。
初めて見るクタクタな新生児、何が何だかわからないですよね。
逆に、わかってテキパキこなせたら、すごすぎます。
新生児期(1ヶ月以内)の赤ちゃんは、
✔️元気に泣いている
✔️体温が平熱
✔️おしっこと6~7回以上している
✔️母乳かミルクをしっかり飲む
が元気のサインです。
もし寝ていて泣いておらず、元気か不安になったら
体温を測ってみてください。
平熱は36.5-37.5度です。
私たちより高いので、36.0だから大丈夫ーとは思わないでください。
36.0は、新生児にはちょっと低いです。
元気に泣いているがちょっと抽象的ですが、
赤ちゃんによって泣き方が様々です。
すごい力強くなく子もいれば、ふにゃふにゃなく子もいます。
なので、ご自分のお子さんの今までの泣き方を見て聞いて、覚えておいて
それより全然泣かなかったら、具合が悪いかもしれません。
まずは体温、そしてミルクの時間だったら、ミルクをあげて見てください。
おそらく元気がなかったら、体温で引っかかると思います。
あと新生児期で気をつけることは、タバコの副流煙やうつ伏せです。
✔️この時期はニコチンは赤ちゃんの呼吸器苦いを及ぼします。
✔️ニコチンは母乳内にも移行するので、赤ちゃんが急性ニコチン中毒になってしまう恐れがあります。(不機嫌、下痢、不眠、嘔吐など)
✔️うつ伏せは、まだ寝返りができないので、もし苦しくなってしまっても、自分で体制が変えられないので危険です。
乳幼児突然死症候群(SIDS)で亡くなる赤ちゃんは、もしお母さんだけタバコを吸うと、タバコを吸わない家庭に比べて約4倍! お父さんだけでは2倍弱!両親が喫煙するとなんと約10倍! との研究があります。
SIDSは両親の喫煙を無くせば60%は防げるというので、喫煙しているなのか家庭は、子供のために見直すのも良いのではないでしょうか。(参考:https://ishimanabu.medy-id.jp/column/23)
うつ伏せは、絶対にNGではありません。
むしろ首上げの運動は、新生児期をすぎたあたりからちょっとずつ初めていくことを推奨します。
首上げの運動は、発育発達や呼吸器に関わる、赤ちゃんの重要な運動の一つです。
うつ伏せになって胸郭が広がることで、深い呼吸ができるようになります。
また、背筋や首・肩の筋肉をつけて、運動面での発達を促します。
たまに、3-4ヶ月頃に初めてうつ伏せにして、赤ちゃんの首が上がらない!!
という方がいらっしゃいますが、練習をしていないと筋肉が付いていないので上がりません。
はいはいや寝返りの時期をスムーズにこなすためにも、1ヶ月がすぎたら首上げ運動をちょっとずつ行なってみてくだい。
※ただし首が座っていない、寝返りができない状態の赤ちゃんでは、必ず見ていてあげましょう。
いわゆる『うつ伏せ寝』は、SIDSを招いてしまうので、大人がしっかり見ていて、なおかつ1回10−30秒程度にしてあげましょう。
==最後に==
生後1ヶ月は、瞬く間にすぎていくと思います。
何がわからないかわからない。
その感情のまま、生活が激変して、夜も眠れず、精神力の勝負になっていくと思います。
そう、精神力。
これが何よりも大事です。
きっと思っていたら理想の育児と違すぎて戸惑っていると思うのですが、
産まれているので臨機応変な精神力で過ごさないと、疲弊してしまいます。
よくありがちなのが、全てを完璧にしようとすること。
例えば、掃除や洗濯、ご飯を作ることを日常茶飯事にされていた方にとっては、赤ちゃんが増えただけなんだからできると思いがちです。
しかし、何か家具が一個増えたのと、赤ちゃんが増えたのでは、重みが違すぎまず。
最初はテンションでできてしまうのですが、そのうちに夜泣く赤ちゃんのペースにイライラしてきてしまいます。
それは明日の予定が狂いそうだから。
第1優先順位は、今は赤ちゃんにしてあげてください。
ずべてやると、疲れてきますし、計画がうまく行かないことにイライラしてしまいます。
ちょっとの間だけなので、完璧にこなす自分をおいておいてくださいね。
それは誰でもない、あなたのためです。